西島建男歌集7
232 首相よ苦難に立ち向かい逃げるな
富裕税を作り
福祉弱者を救え
233 宿泊所で孤老がひっそり死ぬ
税金を贅沢に使う
政治家は自腹で
234 公正中立 第三者とは自己ごまかし
権力者のポチは
電柱に小便もせぬ
235 嘘つきの仮面の詐欺師
危機をあおり安保から経済不況
党利党略のため
236 増えるのは軍事研究 防衛費
平和国家が
欺瞞国家に
237 警察はパトカー追跡は「適正」と
適正によって
無辜の民独り死す
238 偽女権安倍家父長に尻尾ふり
靖国の桜に
散華する母
239 秘密さえ秘密になる花園よ
政府官僚よ
どの秘密花切り捨てる
240 年金の天引き増えて菜種梅雨
介護市民税貧者には
タックスヘブンは無きか
241 紫陽花の唇描き亡き君の
キスなき歳月を
夢中で吸いたり
242 水鳥の水底飛ぶ光の速さ
我は流れて
岩の苔になる
243 予感して今月か来月かガンで死す
亡き妻の顔
赤き牡丹で迫る
244 医療では「不適切」な処置は命失う
政治家は豊かな
暮らしで団欒す
245 政治家も選挙も無き桃源郷
紫陽花ほほえみ
民平安に暮らす
246 着物誘い袖から手入れ
乳房触る粉ぬか雨のような
かすかな音聞えぬ
247 朝かと思い午前三時に起き
寂しさに月の庭さ迷えば
新聞来る
248 政治家を全廃せよ税金を
孤老貧困子どに
市民管理で
249 なめくじがモネの画集に
寝そべりゆったりのんびり
絵をなめつくす
大の字に鼾をかきて
活字は白紙に
251 ナスの苗薄むらさきの花さけり
死ぬ前に茄子の
味噌汁飲めるか
252 買物にいけなくなる日寸前なり
杖つきはって
デパ地下にいかん
253 医者はいうもう治療法なしと
医療麻薬で
自由にさまよう
254 絶望せず希望もぜずに我がさだめ
ただ祈るのみ
庭石を磨く
255 祈るのは神でも天でもありえない
存在する我に
山茶花に祈る
256 天国か医療麻薬飲み痛み消え
海鮮焼きそば食べ
抹茶ゼリー旨し
257 予報士は狼少女コピー機なのに
脅しの名人
竜巻、土砂、豪雨
258 NHKニュース気象庁のいうままに
政治社会批判よりも
天候なら一致す
259 梅雨ただよいトルコ桔梗の青き縁
白き花眼鏡
好きだった亡き君見よ
260 梅雨の朝尿瓶を流し心去り
しとしと雨が
頻尿を誘う
261 本当なし嘘ばかり語り支持をえる
政治家も同じ
262 戦争中前進あるのみと
兵死に行く立ち止まりて
過去から学べ
263 英国は自己中心の島国なり
日本も同じ
世界が見えない
264 フォーレのレクイエム聴けば
豊かな死漂い
キュウリの黄色の小花に触れぬ
265 苦しくて妻の名呼べば
遠雷の梅雨の雨に
響きけり
266 幸福の木この10年花咲かず
肥料やっても
枝伸びるだけ
267 おむつ変え尿パット変えて
ガーゼを変えて夜寝られず
ガードマン忙し
268 ラブ来てわが門前で
おしっこし尾を3回振り
静かに去り行く
269 石井アナスポーツ報道よりサポーター
自分好みの選手を
「ファミリー」にする
270 スポーツの客観報道を自国の選手
だけのナショナルな
ナルシスゲーム
271 青空に軽やかに飛ぶ我が存在
鳳仙花のようさよなら
ふわふわさらさら
272 裏切られ悲しみが塀の上
つるバラがぐんぐん伸びて
止めを知らず
273 真夜中に自分のからだ
かたまりに他人の意識で
少し浮きたり
274 茄子たれてトマトうす赤く
鉢植えに雨かすかに濡れ
アンダンテのいのち
275 ほろほろと才能のなさの
悲哀鳥
薔薇門前に散り涙まじりぬ
276 月笑う才能のなさを蟻運ぶ
嫉妬の死体
脹らみふくらみ
277 蜘蛛の巣は喜び飛びかり餌を喰う
嫉妬汁には
酔いかす